最新更新日
03/07/13

なすび党
著者:一目かの子

 先日友人とくだらない話をしていると「ナス」「ナスビ」かという論争になった。

 私は断然「ナスビ」を愛用している。
 友人は「ナスビなんて今時言う人はいない、「ナスビ」は語呂が悪いと文句を言った。
 彼はいつもそう言って私の言葉遣いに文句をつけるのだが、ナスビはナスビである。

 その証拠に妹・母親・従兄弟・姪などにナスビのことを何というか聞きまくった。
 すると全員一致でナスビだった。
 妹にいたっては「ナスビをナスと言うならスイカはスイだ」と明言した。
 私もそう思う。
 マーボーナスビだし、ヤキナスビである(ナスミソはなぜかナスミソだが)。

■図1 なすびたち
 ナスビの「ビ」は何なのか。
 美しいナスビ(ナス美)なのか。
 
ナスという植物に生える実なのか。
 それともナスの尻尾(ナス尾)なのか。
 もしかしたらナスビからビが抜けてしまったのか(ひと昔はやった「ラ」抜き言葉のように)。

 美しいナスなら「美ナス」だし、ナスには尻尾はない。
 ナスの実か「ビ」が抜けてしまったかだろう。

 こんなに真剣に悩んでいる私の横では友人が「美ーナス」(ビーナス)だの「ナスB」などと言っている。
 ひどい話だ。

 語源については今後の研究を待たれるところだが、私的にはナスビからビを抜くと間抜けな感じがする。

 やはりナスビはナスビだ。
 誰が何と言おうと私は断然ナスビ党である。
■図2
   八世紀のなすび
 



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