最新更新日
03/07/10

沖縄の結婚式
著者:一目かの子

 結婚式などの儀礼は地方色の出るものである。県外のある地方など結納金が何千万、女の子が多い家は破産する、などという噂を聞く。そんな本当っぽい噂を聞くと、「沖縄は普通だわ〜」と思うのだが、県外の人にしてみたら、沖縄の結婚式もなかなか変わっているらしい。今回は私が出席した結婚式を思い出しつつ、沖縄の結婚式について考えてみたい。

 まず婚姻届にサインする「結婚式」は披露宴の前に別室で行うのが現在の主流である。以前は神社やお寺などで行うこともあったが、金がかかるため現在行う人は少ないようである。また新郎宅の仏壇の前で吉日に行う場合もあるという。結婚式の終了後、披露宴が行われるが、結婚式のみで披露宴を行わないことはあまりない。親戚の手前、披露宴をきちんと行わなくてはならない。もちろん「内地で結婚式したから〜」と言っても「沖縄でしてないでしょ」と言われて、もう一度披露宴を行わなくてはならないのである。

 沖縄の披露宴の特徴として、出席者が多いことと余興が多いことが挙げられるようだ。出席者はだいたい100人以上、多いときは500人以上にもなる。これは親戚・友達・職場の人々などを呼ぶとすぐにそれくらいになる。離島などになると「シマの人」(この場合アイランドという意味にも字という意味にもとれる)も呼ぶため、800人以上という場合もあるそうだ。式場も瀟洒なホテルなどではなく、宴会場があるでかいホテルやホール、場所によっては公民館以外認めないということもある。はっきり言って「ちいさな教会でちいさな結婚式」なんて聞いたこともない。

 また県外の披露宴では挨拶が多いと聞くが、沖縄の披露宴は挨拶もそこそこすぐに余興が行われる。余興は少なくて10個以上、出席者が多いと20個ほど行われる。出席者の多くは余興をしなくてはならないと言っても過言ではない。私も結婚式に出席する度に余興をしている。余興は3人から10人ほどの団体で行う。団体は従兄弟同士、叔父叔母の集まり、学校の友人・職場の同僚などで構成される。その際他の団体とかぶったり、毎回同じ事をするのも芸がないので、趣向を凝らしたものを事前に練習し発表するという場合が多い。余興がつまらなかったりすると、後々「ダメだね〜」とか「何で来たのかね〜」などという哀しくなるようなことを言われるので、結構皆頑張るものである。特に大学時代の友人(県外人込み)の余興は慣れてない(恥を捨てきれない?)ため、このような雑言を吐かれる場合が多いようだ。ちなみに余興の間の新郎新婦は誰も構ってくれないので、ほとんど放置プレイである。

 披露宴の終了後は親戚同士・友人同士などでばらけて二次会である。場所は居酒屋だったり新居だったりクラブだったり多種多様である。もちろん新郎新婦もどこかには参加しているため「ふたりっきりで?」というような状況はないようである。友達や同僚に囲まれ、祝福され、酒を飲みまくり、結婚式の夜は更けていくのである。



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